太極拳は、老化の防止、お年寄りの健康維持にとっても優れています。
力を入れない、ゆっくりした動きに、呼吸を合わせますので、心肺機能が高められます。血行も良くなります。
腰を落としたり足を上げたりもしますので、関節も柔らかくなりますし、筋力トレーニングにもなります。スクワットだとか、腕立て伏せのような負担の大きい筋トレではなく、無理のない動きですので、怪我をする可能性も低いです。
基本的にまっすぐな体勢なので、姿勢も良くなります。足運びや体の使いからも意識的に行いますので、日常生活でも、転んだりよろめいたりしなくなります。
太極拳は、ゆっくりしていて楽そうですが、正しく動くと、短い時間でも、汗をかきます。新陳代謝機能が高まります。
無理な偏った動きがないので、負担が少なく体調が良くなります。
ラジオ体操に比べると、わりと動きは複雑なので、覚えるだけでも頭の体操になります。
ひとりで一式きちんとできるようになるのは、ピアノの曲がきちんと弾けるようになるようなもので、学習の喜びもありますね。
簡化二十四式太極拳のすすめ
太極拳は本来は武術、格闘技ですけど、一般的に広く広まっている太極拳は、健康運動の面が強調されております。
一番ポピュラーな簡化二十四式は、ゆったりした楊式太極拳から難しい動きや繰り返しをはぶき、24のゆっくり動作でまとめて、健康体操っぽくしたものです。
伝統的な型は一式続けてやると20分や30分ほどかかりますが、24式は、5分もかからないです。朝の体操にちょうどよいですね。
すっかり日本にも定着しており、カルチャーセンターや、老人クラブなど、いたるところで愛好者はおりますので、仲間にも入りやすいです。
発表会や大会などのイベントも多く、年間行事としてカレンダーに予定を書いておくのも、張りが出て良いですね。
24式で飽き足らねば、楊式太極拳や、陳式太極拳などの伝統的な太極拳を学ぶのも楽しいです。
伝統拳には、推手といいまして、二人で向かい合わせに手を合わせて行う練習方法もあります。より武術っぽくなります。
一番古いと言われる陳式太極拳はスピーディーな突きや蹴りもあるし、震脚といって床も抜けよとばかりに踏みつける動きもあって激しいです。腰を低く落とし、地面に張り付くばかりの構えもあります。
陳式は、若い頃から続けているならともかく、お年を召してから始めるのは、ちょっと大変だと思うのですが、高齢の学習者も結構多いみたいです。
初めての方は、いきなりこちらにチャレンジしても、型の順番を覚えるのに精一杯で、健康に役立てようという目的に沿う段階にたどり着くまで、かなり時間がかかってしまいそうな気がします。
最初は、気軽でお手軽な一般的な太極拳から始めることをおすすめします。