介護職員に対する利用者からのハラスメント

職場のハラスメントといえば、上司から部下へのセクハラやパワハラというのが一般的なイメージだと思いますが、介護業界では、利用者から介護員に対する暴言やら暴力、性的な嫌がらせがあります。

この問題に対して、厚生労働省が2018年中に実態調査に乗り出すことになったそうです。

介護現場でのハラスメントとは

いままで、介護業界のハラスメントって、職員が利用者を虐待するとか、そっち方面ばっかり取り沙汰されてました。これは命に関わる事態に発展することが多いので、重大なことですが、数から言えば、その逆の方が圧倒的に多いと思うのです。(割合は知らないですけど)

利用者からの嫌がらせを受けて、介護職員が怪我したり死んだりすることは、めったにありませんでしょうが、職員がストレスでおかしくなったり、退職につながることは多いのです。

私が訪問介護事業所を経営していた、15年前くらい前からの10年間にも、けっこうありました。

職員が痴漢行為をしたという事件(利用者からの申告だけなので真偽の程は謎)も1件あったのですが(10年やってて1件)、利用者からのセクハラ、パワハラはしょっちゅう聞きました。

性的ハラスメント

性的な嫌がらせは、介護サービス実施中に、「触る」とか「まさぐる」というものです。もしくは「触らせる」「まさぐらさせる」ですね。

介護中に触ってきたとか、エッチなことを言う、という話です。

 

現場で解決できねば、サービス提供責任者など幹部職員が乗り込んで説教したりして、それでも収まらねば、契約解除、もういってあげないよ、というふうにしておりました。

おさわりのひどい客が、スナックで出入り禁止になるようなもんですけど、介護の場合、利用者を放り出すというのは、道義的にも心情的にもやりにくいものです。しかし、そこにつけ込んでくる質の悪い客は、お断りされても、自業自得といえましょう。

私の会社では例はありませんでしたが、利用者家族がヘルパーを襲う、ということもあるようです。これはもう犯罪ですから警察沙汰にしていいと思います。

介護職員への暴言

暴言、恫喝も日常茶飯事でした。

あからさまなのは、元ヤクザで、四六時中そこらじゅうでガナリ倒して、担当したヘルパーが顔面神経痛になりました。介護タクシーの中でも、赤信号で止まるなとか、タバコ吸わせろとか、むちゃくちゃいいよります。

心理的にたちの悪かったのは、元セレブのばあさまで、自分は教養があってお金持ちだった、あんたはこんな仕事について、成績悪かったのね、と、ネチネチネチネチ誰にも彼にも言うのです。毎回です。

私自身は、利用者からのハラスメントは全然平気でして、元ヤクザが入れ墨ちらつかせて怒鳴り散らそうと、車椅子だし、慕ってくる子分がいるわけでもなし、どうせ下っ端だったであろうヤクザの成れの果て、生活保護の哀れな老人、何が怖いねん、というふうに見てました。

「タバコ吸わせろ!」「あきまへん」てなもんです。

元セレブおばさまには、そうでんねん、中学中退です、とか適当に話を合わせてました。

介護ハラスメントの対策

これはやはり経営者という立場上、一般の従業員よりかは、やや上から見ておれたからだと思います。利用者は収入源ですが、プラスマイナスで考えて、ヘルパーが辞めてしまうなど、マイナスが多いと思えば、斬り捨て御免、と、割り切れます。適当な言い訳を考えて、他の事業所に振ってしまいます。

しかし、一般のヘルパーさんは、シフトで決められた先に訪問にいくわけで、自分のお役を果たすしかありません。自分では利用者を選べないわけで、暴言やセクハラにめげる人もおられました。

海千山千のおばちゃんヘルパーは強いんですけど、経験の少ない若い子や、妙齢の方でも上品な家庭の主婦の方が事情あって働きに出てきたばかり、という場合は、精神的にやられます。

そしてそのことを、自分が弱いからだと感じて、事業所側に言い出しにくかったりしますと、そこをさらにつけこまれて、利用者からの嫌がらせがエスカレートしたりします。

ハラスメントを受けたら事業所に相談しよう

ヘルパーさんは、困ったことがあれば、どんどん相談することです。

上司がめんどくさがったり、我慢を強いてくるような事業所はろくなところじゃないので転勤するのが良いです。介護事業所は人手不足のところがいくらでもあるので、転勤は簡単でしょう。

ただ、自分の気分で、あの人嫌い、なんてことで客のより好みをしていたら、そのうち行くところがなくなって干される可能性はあります。このあたりの見極めは難しいかもしれませんが、上司がきちんとした人なら、わがままな意見には優しく諭してくれるはず。

事業所は職員の態度に気を配りましょう

事業所の責任者は、常日頃からヘルパーさん達の顔色を見て、困っていること、悩んでいることを察知して、早め早めに手を打っていかねばいけません。放置していると、ヘルパーさんは突然辞めます。

利用者との相性が悪ければ、シフトを変更すべきです。

少々のセクハラ程度、屁とも思わなくなるよう、じわじわ鍛えられるよう、成長できるよう、利用者との相性などよく考えて配置していくのがよいでしょう。職員の教育は大切です。

しかしその上で、職員を潰しに来るような客は切ってしまうのが良いと思います。

介護事業所に大切なのは、人材です。優先順位で言えば、顧客より上です。

他の商売には、お客様第一の業種もあるかと思いますが、介護業界は、職員が不足しています。一度入ってきてくれたヘルパーさんには、末永く活躍してもらわねばなりません。

お客はどうせいつまでもお客ではいてくれません。(亡くなります)

さらにいうなら、お客は今後もなんぼでも増えてきます。団塊の世代がすっかり亡くなられるまでは、お客には困らないでしょう。

ハラスメントを仕掛けてくる利用者

セクハラ・パワハラ・嫌がらせを仕掛けてくる年寄りって、周りの人に嫌われていることが多いです。家族からも見放されていたりもします。

ネチネチばあさまは、近所に家族がいたのにもかかわらず孤独死しました。(発見はヘルパー)

元ヤクザは事業所をたらいまわしされて、最終的にどうなったのか知りません。

気の毒ですが自業自得です。要介護者だからといって、優しくされて当然、わがまま放題できると思うのが間違えております。

親子ならば、扶養の義務もあるし、先祖から子孫までのつながりのあることなので、いくら傍若無人のひどい親だとしても、敬って大切にしないといけないと思います。(先祖を敬うことは、子孫の繁栄にもつながるからです。)

しかし、介護サービスは、赤の他人から契約に基づいて提供されるものです。神との契約というような大層なものではなく、紙に書いた契約です。

公序良俗に反するような行為は契約違反なので、打ち切りできます。その後の人生まで知ったこっちゃありません。

老後幸せに生きたいと思ったら、周りの人にやさしくせねばなりませんね。

お金がなくなって、生活保護を受ける生活になったとしても、愛想よく紳士的で人間味のある人なら、誰からも慕われます。やることをきちんとやっていて、人間性が高ければ、日本では福祉制度を利用してまあまあ、幸せな生活ができるはずだと思っているのですが、どうでしょうね?

元ボクサーの暴力

余談になりますが…

介護タクシーでの送迎の際、元ボクサーから殴られたことがあります。これは認知症(パンチドランカー?)からくるもので、ハラスメントではなかったです。

半身不随なので、そう痛くはなかったのですが、もろにアゴに喰らいまして、さすが、ボクサーの狙いは正確やなあと感心しました。

施設側もほとほと手を焼いていたようで、拘束されておりました。

この、拘束の問題も難しいところではあります。

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